“About”のところにも記載しましたが、私は2023年4月から東京大学学際情報学府山内祐平研究室に所属して研究を進めています。教育工学・学習環境デザインに研究の軸足を定めつつ、北米で発展した社会正義教育を取り込みながら「社会を変える学びを創る」ことをテーマに学際的・実証的な研究を行っていく予定です。
現在はマジョリティに属しながらもマイノリティへの抑圧を終わらせるために行動する人=アライ(Ally)の学びについて高等教育をフィールドに研究を進めています。
私の現在の研究関心は2つの過去の経験から形作られています。
1つは、認定NPO法人Learning for Allでの活動です。
私は学部生時代から困窮世帯の子どもたちへの支援を開始し、学習支援や居場所支援などの支援プログラムの開発・運営を担っていました。所属していたNPOでは多くの大学生がボランティアやインターンとして子どもたちに寄り添っていましたが、彼らとの出会いが自分の研究対象=アライ(Ally)の背景にあります。
もう1つは、トロント大学オンタリオ教育研究所での学びです。
私は2014年から2年間上記の大学院へ留学し、実践家向けの修士号を取得しています。その時に学んだクリティカル・ペダゴジーやフェミニスト・ペダゴジーといった教育思想・実践をどのように具体的に社会的文脈が異なる日本で実現するのか?という問いが大切なものとして自分の中にあります。教育工学・学習環境デザインを扱う山内先生の研究室を選んだのはこの問いに答える力を身につけたいという思いからでした。
ちなみに、このWEBサイトのデザインはクリティカル・ペダゴジーの研究者のGiroux(2005)のBorder Crossingsという著作の表紙を参考にし、デザインを学んでいる妻に依頼して制作してもらいました。日々社会はより一層混沌とし、分断が深まっているように思えます。引かれた境界線(Border)を越えて(Crossing)より良い社会を実現するための学びについて考えていければと思います。